【3月4日 CNS】中国・海南省(Hainan)海口市(Haikou)の秀英港(Xiuying)、新海港(Xinhai)、南港(Nan)などで、船で海峡を越えるはずだった車両数万台が足止めされた問題で、インターネット上では足止めをくらったドライバーたちのマナーの悪さを指摘する発言が相次いだ。

「集団でクラクションを鳴らしている」「どこもかしこもゴミだらけ」「そこらへんで用を足している」「ある人が一人なのに4碗のかゆを欲しがり、ボランティアに断られた腹いせに、かゆをぶっかけた」

 さらには、窓からゴミをポイ捨てした人物の身元をインターネット上で特定するなどの騒ぎまで起こった。

 車が大規模に足止めされた原因は、広東省(Guangdong)と海南島(Hainan Island)の間の瓊州海峡(Qiongzhou Strait)が、濃霧でたびたび封鎖されたことだ。春節(旧正月、Lunar New Year)のUターンラッシュのピークと重なったこともあり、船で海峡を越えるはずだった車両数万台が足止めされたと報じられた。

 中国のインターネット上では近年、国民のマナーについてたびたび議論が起こっている。2013年には、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の西湖(West Lake)やフランスのルーブル美術館前の噴水に足を浸す中国人観光客のマナーが議論になったことがきっかけで、政府から海外旅行時のマナーについて注意事項が発表された。15年には北京市(Beijing)紫禁城(Forbidden City)の赤い壁の上に中国語の落書きが発見され、この時もネット上で議論が巻き起こった。

 今回、騒ぎの舞台となった海口市は、「全国マナーのいい都市」「国家衛生都市」の称号を昨年に受賞したばかりだった。濃霧で足止めになった旅行客のマナー違反に対し、ある地元メディアは「旅行客も現地住民も力を合わせてこの難関を乗り切ろう」と呼びかけるほどだった。

 海口市民や地元企業はボランティアとして、足止めを食らった旅行客に無料で軽食やお湯を提供するなどした。自宅の風呂やトイレを貸した道路沿いの住民もいた。

 24時間足止めを食らっていたという旅行客が数日後、ソーシャルメディア(SNS)で海口市警察や清掃員らが忙しく働き、夜中にやっと食事を取っていたと投稿し、ねぎらいの言葉を残した。また、別の旅行客は、ネット上に「海南の美しい景色と、ボランティアの人々に感謝します」とメッセージを残した。

 海口市の社会科学界聯合会主席で海南大学(Hainan University)のセン長智(Zhan Zhangzhi)教授は、「感情的になって理性的な行動ができなくなるなど、一部の国民はもう少しマナーについて勉強しなければならないことが今回、よく分かった。マナーについての議論は必要だし有益だ」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News