【12月4日 CNS】韓国へ出向いて医療サービスを受ける中国人の減少に伴い、韓国の医療機関は中国西部の保健医療市場へ注目し始めている。韓国の保健福祉部、韓国総領事館、四川省(Sichuan)衛生・計画生育委員会などが主催する韓中保健医療協力交流会が11月28日、四川省成都市(Chengdu)で行われた。両国政府関係者と医療関係者約200人が出席し、意見交換を行なった。この席で、韓国の安成国・在中国総領事は、「四川省は中国西部の重要地区であり、保健医療市場の潜在能力は巨大だ。韓国企業は四川省から中国西部の保健医療市場を開拓していくと良いだろう」と話した。

 安総領事は両国の関係に対しては楽観的だとし、「現在、260社以上の韓国企業が四川省に進出している。四川省は現在、中国西部地区の医療センターの建設に力を入れており、韓国の高度医療機関が参入することで、現地の医療レベルを高める役割を担うことができる」と話した。

 韓国保健福祉部は、2021年までの間で211医療機関に対し、海外医療市場を開拓するよう勧めている。韓国メディアの亜洲経済(Aju Business Daily)によると、17年上半期、韓国へ医療サービスを受けに来た中国人旅行客は前年同期比で24.7%減少し、韓国の各医療機関の収入が大幅に減少した。

 同部の李敏媛局長は、「保健医療は韓国の経済発展の動力。がん治療、超音波などの医療技術は世界でもトップレベルだ。参加している韓国企業から韓国の保健医療製品と技術についての詳しい紹介が行われる予定で、現在建設中の医療センターに協力できれば」と話した。

 四川省は中国西部で最も医療費支出が多い省だ。医療サービスはチベット自治区(Tibet Autonomous Region)、雲南(Yunnan)、貴州省(Guizhou)、重慶市(Chongqing)などへもおよぶ。医療産業発展を促進させるため、四川省は中国と外資による協業医療機関の海外資本の比率を90%まで認めているほか、外資が現存の医療機関を買収するなどの方法で合資または協業病院を設立することも許可している。

 同省衛生・計画生育委員会の医政医管局の張翻蓉(Zhang Fanrong)副局長は、同省の医療機関の数や診療数、医療関係者の数などは国内でもトップレベルで、省内には中国と外資の合資または協業医療機関が3か所が開業済みで、ほかに3か所が開業準備を進めていると紹介した。(c)CNS/JCM/AFPBB News