【12月1日 AFP】フランス東部ブザンソン(Besancon)で日本人留学生の黒崎愛海(Narumi Kurosaki)さんが行方不明となっている事件で、仏検察当局は30日、黒崎さんの元交際相手であるチリ人の容疑者の男の携帯電話から入手したデータに基づき、新たな範囲を捜索すると発表した。

 ブザンソンでフランス語を学んでいた黒崎さんは、自身の大学の学生寮にいたのを最後に行方が分からなくなっており、警察は大学の教育補助員、ニコラス・セペダ・コントレラス(Nicolas Zepeda Contreras)容疑者が黒崎さんを殺害したとみている。

 検察は記者団に対し、黒崎さんは1年近く前の2016年12月4日夜から行方不明になっていることから、死亡したと考えられると表明。その一方、「最近特定された、これまで注視していなかった範囲」を対象に新たに捜索を開始すると発表した。捜索する場所は、ブザンソンの南西約50キロに位置するドル(Dole)の数キロの範囲で、容疑者の携帯電話のデータから特定されたという。

 同容疑者は黒崎さんが行方不明になった後、チリに渡っており、フランス側はチリ当局にセペダ容疑者の身柄の引き渡しを要請している。なお、同容疑者は犯行を全面的に否認している。

 チリの最高裁判所は2月、フランスによるセペダ容疑者の逮捕要請を退け、身柄引き渡し手続きを保留した。

 仏検察によると、チリ当局への正式な身柄引き渡しの要請は、来年になる見通し。(c)AFP