【11月3日 東方新報】上海(Shanghai)の名門校10校の校長が上海青年幹部管理学院(Shanghai Youth College of Management)に隔週日曜に集まり、保護者らと対談するという8〜9月に活動が行われた。

 ほぼすべての校長が口を揃えて、保護者は子どもたちの貴重な時間を「早期英才教育」によって浪費しないようにとアドバイスをしていた。

 しかし、上海の教育関連企業が1280人の保護者を対象にアンケートを行ったところ、98%の保護者が子どもに対し「早期英才教育」を行っており、55.5%は幼稚園の年中から小学校の予習をさせていることがわかった。

 子どもの早期英才教育の動きは2010年頃から徐々に広まり、保護者たちは次々に子どもたちを塾などに行かせるようになった。

 しかし静安区(Jingan)教育学院附属学校の張人利(Zhang Renli)校長がこんな話を披露した――小学生の頃から平々凡々で、塾にも通っていなかった男子生徒が米国のハーバード大学(Harvard University)に合格した。

「どの科目においても成績は中の中。リーダーシップなども特になく、のんびりと成長してきた。そんな生徒が中学2年生になって突然数学が好きになり、毎日暇さえあればドリルを解いて、解かないと落ち着かないようになった。驚いた母親が学校に来て、子どもが何かの病気になってしまったのではないかと先生に相談したほどだった」

 中学校を卒業すると、全国高校3年生数学コンテストで全国2位という成績を収めたという。「子どもにとっては興味があるものが一番なのです。興味のわかないうちに詰め込もうとしても、時間の無駄でしかない」と張校長は言う。