2000年ごろから敦煌の旅行市場は次第に規則が整備された。鳴沙山観光地区はラクダに番号を付けて管理するようになり、観光客をだますなどの現象も根絶した、と秦さんは振り返った。

「今、村人はラクダを引いて稼いでいる。世帯ごとに少なくとも2つのラクダの番号があって、一つの番号で年間4~5万元(約66万円~83万円)稼ぎ、世帯平均年収は8~10万元(約132~165万円)。ラクダの番号は一家の「お茶碗」みたいなもので、農家の生活を保障してくれています」と秦さんは語る。

「ラクダの寿命は約24年。3歳から仕事ができますが、ラクダの訓練は大変。通常3か月かかります。でも、観光シーズンには1週間で『仕事環境』になじませます」。秦さんによると、ラクダの訓練は「人間化」方式だ。つまり、ラクダに話しかけたり、命令したり、褒めたりして……の繰り返しだ。

 観光シーズンには毎年、ラクダはたくさんの道を歩く。それを見るたび、秦さんは「とても苦労しているなあ、と心が痛みます。だから時間がある時は、私は自分が疲れていても、急いでラクダに水をあげたりえさをあげたりしているんです」。秦さんはきっぱりと言った。「ラクダは家族のような存在ですから」

 康強(Kang Qiang)さんは、天津理工大学(Tianjin University oSf Technology)を卒業し、2013年に帰省してラクダを引いている。康さんはCNSの記者にこう振り返る。「ここで生まれ育った者が、敦煌の観光事業に引かれて帰省し、就職するケースが多いです。我々は観光市場に順応し、さまざまな外国語を習得し、サービス能力を向上させてきました。今後もさらに努力し自分を高め、敦煌・シルクロードの観光事業に力をささげたい。そうすれば、同時に自分たちの生活ももっと良くなっていくでしょう」と希望を語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News