■中国にとっての大きなビジネスチャンス

 ニューヨークにおける中国人の増加は、母国での成長するビジネスの影響や西欧でも発揮する才能、アメリカでの売り上げ増加への自信が背景にある。

 上海(Shanghai)を拠点とするデザイナーのワン・タオ(Wang Tao)が率いる「タオレイ・ワン(Taoray Wang)」は、米大統領の娘であるティファニー・トランプ(Tiffany Trump)のお気に入りだ。中国人デザイナーらは国際的なビジネスのプラットフォームとして、ニューヨークに来ることを好むと、タオは言う。「中国経済は成長し、急騰している。多くのデザイナーたちは、ここで自分たちの服を発表したがっている。それがニューヨーク・ファッションウィークに新鮮さをもたらしてもいる」とAFPの取材班に語った。

米ニューヨーク市内で発表された「タオレイ・ワン」18年春夏コレクション(2017年9月9日撮影)。(c)AFP/Getty Images/ANGELA WEISS

 リュやシュのように、すでに中国で成功している人々にとって、次のステップは自然と米国でビジネスを始めることになる。今回、リュにとって2度目のニューヨークだが、フランスで修行した彼女は次のシーズン、パリ(Paris)でショーを行う可能性も探っていると認める。「ニューヨーク・ファッションウィークはとても商業的だから」と彼女は通訳を通して語った。「ファッションウィークには2種あると思う。パリはもっとハイファッションで、ニューヨークは商業的なストリートファッションだ」