【9月3日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)で、女性審判に下品で性差別的な発言を浴びせたファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)が大会から追放されたことについて、世界ランキング1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は2日、処分まで三日もかかったのは失敗だと断言した。

 現在30歳のフォニーニは、先月30日の男子シングルス1回戦でステファノ・トラヴァーリャ(Stefano Travaglia)とのイタリア勢対決に敗れた後、ルイース・エンセル(Louise Engzell)審判に対して女性蔑視的な汚い単語を二つ発していた。

 大会側は2日、フォニーニに対して暫定的に全米オープン出場を停止すると発表。シモーネ・ボレッリ(Simone Bolelli、イタリア)と組む男子ダブルスで2回戦を突破していたフォニーニだが、主催者はこの結果も無効とし、さらに2万4000ドル(約260万円)の罰金を科した。

 大会主催者は声明で「四大大会(グランドスラム)行動規定に照らし、ファビオ・フォニーニ選手の今後の全米オープン出場を暫定的に停止します。シングルス1回戦の試合で大きな違反があったかの最終判断は保留となります。暫定処分は即時効果を発揮するため、フォニーニ選手は次のダブルスの試合には出場できません」とコメントした。

 処分の発表が遅れた理由について、主催者側はフォニーニの短い言葉の翻訳に時間がかかったと説明しているが、ナダルは4回戦進出を決めた試合後の会見で「翻訳するのに数日もかかるとは思えない。簡単にわかるはずだ」と述べた。

「たしかに明るい話題ではないし、コート上で正しくないことをすれば、なんらかの報いを受けるのは当然だ。だけど、もっと迅速な対応ができたはずだ。彼はダブルスで2試合を戦っている。出場停止にするのであれば、もっと早い方が良かったし、数日もかけるべきではない。その期間も彼はここでプレーしていたのだから」

「彼は2試合勝った状態で締め出された。これはあまり良い状況とはいえない。すぐに確認して出場停止がふさわしいのであればそうすべきだったし、ふさわしくないのであれば、そうしなければ良かった」

 フォニーニは過去にもコート上で問題行動を起こしたことがあり、2014年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)では2万7500ドル(当時約280万円)の罰金を科された。

 フォニーニはツイッター(Twitter)に「ファンと審判に今回のことを謝罪する。最悪の一日だったが、それがあの振る舞いの言い訳になるわけではない。自分は頭に血が上りやすい(そしていつもは正しく振る舞っている)が、間違っていた。とはいえ結局のところ、あれは単なるテニスの一試合だ」と投稿した。

 パブロ・クエバス(Pablo Cuevas、ウルグアイ)とペアを組み、男子ダブルス2回戦でフォニーニ組に敗れたインドのロハン・ボパナ(Rohan Bopanna)は、主催者のどっちつかずな姿勢を非難している。

「彼らには最後までプレーしてほしかった。2試合プレーさせたのなら、最後まで続けさせ、それから処分を下すべきだった。調査対象の選手がいるのであれば、処分が決まるまで、その選手の試合をスケジュールに組み込むべきではない」

「関わった選手全員に、それぞれのキャリアというものがある。全米オープンは明らかにそれをないがしろにしている」 (c)AFP/Dave JAMES