【8月30日 CNS】中国・北京(Beijing)の八達嶺野生動物世界(Badaling Wildlife World)園内の猛禽区で18日、乗用車で通過中の観光客が車の窓を開けたところ、旅行客が黒熊に左肩をかまれる事故が起きた。記者が現場の動物園に確認を取っており調査中である。同園は、乗用車で園内をめぐって動物を観察できるサファリ・パーク形式。

 陳さんという男性は18日、友人が運転する乗用車で動物園へ到着。園内のマレーシア熊園を通り過ぎた時、別の客が餌を与えていたが問題が起きていなかったのを見て、陳さんも車の窓ガラスを開けて食べ物を放り投げた。この時、1頭がそばで餌を食べ始めたが、別のクマが車を取り囲むようにやってきて、窓にしがみつきながら車内に入り込んできて、陳さんは左肩をかまれた。

 記者は21日、八達嶺野生動物世界管理事務所に取材を試みたが、対応したスタッフは「この件は現在調査中で、私もお答えできません。お答えできる担当責任者も分かりません」とだけ応答した。

 陳さんは現地メディアの取材に対し、「窓ガラスを開けたことは間違っていた。しかし観光客の保護措置に対する同園の態度には納得がいかない」と話した。陳さんはまた、園内のスタッフは自分を責めるだけで、事故が発生した時に真っ先に助けてくれなかった、と話した。

 近年、同園では観光客による同様の事故が多発している。今年7月22日にはマレーシア熊園で、同じように車の窓から侵入する動画が撮影された。また同じ日、東北虎園区でも子供が車の窓ガラスをひっきりなしに開け閉めしていたところトラに襲われ、服をボロボロにされた。

 これらの事故は「血の教訓」を残し、社会的にも強烈な注目を集めてしまった。同園では2013年7月にも、観光客がトラに襲われ死傷している。今年初めには浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)雅戈爾動物園(Youngor Wildlife Park)の園内でも、男性が柵を越えて虎山の中に進入し、虎に発見されかみ殺されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News