■増大する脅威?

 公民権擁護団体の「南部貧困法律センター(Southern Poverty Law CenterSPLC)」が昨年実施した調査によると、米国には623の反政府集団が活動しており、そのうちの165団体がミリシアだという。

 今月12日、バージニア(Virginia)州シャーロッツビル(Charlottesville)で開かれた右派系デモ「ユナイト・ザ・ライト・ラリー(Unite the Right Rally)」で、白人至上主義者と反対派の衝突が起きた。この衝突で、反対派の女性が車にはねられて死亡したことを受け、ネオナチ(Neo-Nazis)や白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(u Klux KlanKKK)」、「Alt-right(オルト・ライト)」運動、さらにはGSFのように「愛国ミリシア」とだけ名乗る極右グループなどの超保守勢力が改めて注目されることとなった。

 同日のデモにGSFのメンバーがいたのか、デモに治安目的でメンバーを送ったのかとの質問にヒルさんは「ノー・コメント」とだけ答えた。

 米国のミリシア史上、最も広く知られている存在の一人は、1995年のオクラホマシティー(Oklahoma City)連邦政府ビル爆破事件の実行犯ティモシー・マクベイ(Timothy McVeigh)元死刑囚(2001年に死刑執行)だろう。彼は、168人が死亡したこの事件を通じて、革命の火付け役となることを望んでいたとされている。

 ヒルさんは、自身のグループでは、そのようなことは絶対に起きないと主張する。そして、過激な兆候を少しでも示した人物は組織から追い出すと述べた。

 SPLCのベテラン記者であるライアン・レンツ(Ryan Lenz)氏は「こういった組織は米国の法の支配を損なうイデオロギーにより定義されており、その発生元は過激な『陰謀説の園』だ」と語る。そして「問題はそれが暴力に発展するのかではない。発展するのは分かっている。それがいつなのかが問題なのだ」と続けた。(c)AFP/Eleonore SENS