■ファミリー

 最近グループに加わったルースター・ジマリア(Rooster DiMaria)さんと妻のイベット(Yvette DiMaria)さんは、隣接するサウスカロライナ(South Carolina)州在住だ。集まりがあるときに、この森で彼らの言う「ファミリー」と合流する。

「同じものを信じ、憲法を信じ、キリスト教を信じ、そして正しい行いをする仲間と過ごす」──これが、ここでの魅力だとルースターさんは語る。妻のイベットさんも週末の集まりに参加した。

 2人とも、昨年トランプ氏が大統領選挙に立候補宣言をするまでは、政治に幻滅していたと話す。

 イベットさんはこれまで、周りから人種差別主義者や同性愛嫌悪者などと呼ばれ小ばかにされることが多かった。しかし今では、同じ考えを共有する仲間がおり、自分たちも同じ気持ちだと明かす女性たちがいるのだという。

 米首都ワシントン(Washington D.C.)にあるアメリカン大学(American University)のキャロル・ギャラガー(Carol Gallagher)教授は、主流派政治家に愛想をつかした多くの超保守主義者は、不法移民や米企業の海外移転についてのトランプ氏のタフな物言いに引き付けられていると語る。

 その中には、反ユートピア的な未来に備える生存主義者(サバイバリスト)もいれば、時に白人至上主義者らをも含む強硬な右翼政治の信奉者もいる。

 ギャラガー教授は「米国史を振り返ると、このような武装した民間グループは当初から存在していた。入植当時、警察や軍隊が確立されていなかったため、人々は自衛のためにこういった組織をつくったというのも関係している」と語った。