【8月9日 AFP】8日に投票が行われたケニアの大統領選で開票が始まり、独立選挙管理・選挙区画定委員会(IEBC)は9日、再選を目指す現職のウフル・ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領がリードしているとの中間結果を発表した。しかし、野党連合が推すライラ・オディンガ(Raila Odinga)氏陣営はこれを「偽造」と主張しており、混乱の長期化と暴動への発展が懸念されている。

 中間結果は不正投票を防止する目的で導入された電子集計システムを通じて発表されたが、オディンガ氏は9日朝に行った記者会見で「これらの結果は偽造。いかさまだ。信頼できない」と語った。

 ケニアではオディンガ氏が敗れた2007年の大統領選でも不正投票疑惑が指摘されており、数か月続いた与野党支持者間の衝突で約1100人が死亡、60万人が避難民となった。オディンガ氏は2013年の大統領選にも出馬しており、今回で4回目の挑戦となるが、過去の選挙では不正操作によって勝利を逃したと主張している。

 IEBC が発表した中間結果によると、ケニヤッタ氏の得票率は55%で、オディンガ氏の得票率は44%。両氏の得票差は140万票近い。

 だがオディンガ氏は集計方法を示す文書をIEBCが提示していないとして、この結果を否定。「(中間結果は)機械が投票したもの」と記者団に述べ、「結果は不正」という認識を示した。

 また、IEBC側が選挙の不正を防止するとしていた電子式の有権者識別・開票システムの責任者だったクリス・ムサンド(Chris Msando)氏が殺害された件に触れ、同氏が不正が行われていると主張していたことに言及して「ムサンド氏が暗殺された真の理由はこれではないのかと危惧している」と語った。

 今月、首都ナイロビ(Nairobi)郊外でムサンド氏の遺体が発見され、同氏は拷問を受け絞殺されたとみられている。(c)AFP/François Ausseil and Chris Stein