【8月11日 CNS】ドイツ・ベルリン警察によると、現地時間8月5日午前、36歳と49歳の中国籍男性の2人が、ベルリン(Berlin)のドイツ連邦議会議事堂(Reichstag)で、「ナチス・ドイツ(Nazi)式」敬礼のポーズで互いの写真を撮るなどしていたため、警察に連行され尋問を受けた。その後、それぞれ500ユーロ(約6万4000円)の保釈金を支払って保釈されたが、ドイツ憲法に違反する組織のシンボルを使用した疑いで刑事告発を受ける可能性は、依然として拭いきれないとしている。

 このことについて、在独中国大使館領事部の周安平(Zhou Anping)参事官は7日、旅行先の国の法律を順守するとともに、文化や習慣などを理解して、このような事件を再び起こすことのないよう呼びかけた。

 ドイツ『刑法典』の第86a条の規定により、ナチスの旗、記章、制服、スローガンや敬礼などを使用した者は、最高3年の懲役また罰金が科される。

 今回の事件に関して、中国外交部が発表している『中国国民のドイツ旅行心得』には、この法律違反のリスクについての特別注意事項が含まれていない、と中国国内メディアが指摘。これに対し、周参事官は、中国外交部や在外公館が作った中国国民向け安全注意事項の中には、必ず「現地法規の順守」を重要な内容としている、と強調した。

 今回の事件の今後の成り行きについて、中国人民大学(Renmin University of China)ドイツ問題専門家の孟虹(Meng Hong)氏の分析によると、近年、ドイツでは類似の事件の場合、最終的に5000ユーロ(約64万円)から7000ユーロ(約90万円)の罰金を支払うことで結審する場合が多いという。

 孟虹氏は更に、ドイツは歴史に対して非常に厳粛であり、二度と同じような歴史を繰り返さないために、こうした記憶に関する場所の投資・建設に各地元政府が力を入れている、と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News