【6月18日 AFP】所属するスペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)での今後について臆測が飛び交う中、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)はロシア・カザニ(Kazan)で18日に行われるコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2017)のメキシコ戦で、欧州王者のポルトガルをけん引する役割を担う。

 先週海外のペーパー会社を通じて1470万ユーロ(約18億円)を脱税した罪でスペイン検察当局に訴追された32歳ロナウドは、周囲が慌しい中、大会に向けて準備を整えてきた。

 現在、地元マドリード(Madrid)の報道では、昨年11月に2021年まで契約を延長したものの、ロナウドはレアルを離れたがっているという見出しがあふれている。

 しかしこれから2週間は、ロナウドの頭の大部分は2018年のロシアW杯(2018 World Cup)の前哨戦で、さらなるタイトルを獲得することで埋め尽くされることになる。

 ポルトガル1部リーグのFCポルト(FC Porto)からイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)への移籍が決まったポルトガル代表のFWアンドレ・シウバ(Andre Silva)は、ロナウドについて「彼はこの大会をとても真剣にとらえており、集中している」と話している。

 2016年はクラブでも代表でも欧州制覇を成し遂げたロナウドは、ロシアの地でさらなるタイトルを獲得すれば自身5回目のバロンドール(Ballon d'Or)受賞は揺るぎないものとなる。

 スコットランド・プレミアリーグのグラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)と契約した35歳のベテランDFブルーノ・アルベス(Bruno Alves)は、「われわれの国を背負う彼のことは言葉では表現できない。彼はわれわれ選手にとってもアイドルだ」とコメントしている。

 欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)で優勝してコンフェデレーションズカップ初出場の切符を手にしたポルトガルは、グループAで北中米カリブ海サッカー連盟ゴールドカップ(CONCACAF Gold Cup)王者のメキシコ、開催国ロシア、そしてニュージーランドと対戦する。

 ロナウドはけがをした欧州選手権の決勝後に出場した6試合で12得点を記録しているが、1999年大会で優勝しているメキシコはロナウド封じに自信をのぞかせている。

 ポルトガル1部リーグのベンフィカ(Benfica)でリーグとポルトガル杯(Portuguese Cup 2016-17)制覇の2冠を果たしたメキシコ代表のFWラウル・ヒメネス(Raul Alonso Jimenez)は、「彼が偉大な選手なのは言うまでもない。だがわれわれも偉大なチームだ。彼を止めることができると確信している」とコメントしている。

 メキシコはロナウドだけでなく、ASモナコ(AS Monaco)でフランス・リーグ1を制し、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)に移籍が決まったMFベルナルド・シウバ(Bernardo Silva)も阻止する必要がある。なお、シウバはけがのため欧州選手権に出場していない。

 ポルトガルのフェルナンド・サントス(Fernando Santos)監督は、「1年前、私はポルトガルは欧州選手権で優勝するだろうと言った。優勝の本命ではないと話していたが、優勝候補の一角としてタイトルを取った。今も同じ自信を持っている」と話している。

 先週のW杯北中米カリブ海最終予選で米国と1-1で引き分けたメキシコは、スペインのレアル・ソシエダ(Real Sociedad)に所属するカルロス・ベラ(Carlos Vela)や、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)でプレーするハビエル・エルナンデス(Javier Hernandez)を擁している。

 また、メキシコはかつてFCバルセロナ(FC Barcelona)に在籍し、38歳になった今も衰え知らずのDFラファエル・マルケス(Rafael Marquez)がキャプテンとしてチームを引っ張っている。両チームの対戦は、ロナウドにとって代表通算140試合目、マルケスにとっては同139試合目となる。(c)AFP/Yann BERNAL