【5月30日 AFP】バングラデシュ南岸に30日、最大風速37.5メートルの強風を伴う大型サイクロン「モラ(Mora)」が直撃した。

 バングラデシュ気象局は、南東の都市コックスバザール(Cox's Bazar)から南部の港湾都市チッタゴン(Chittagong)の間の沿岸部で、午前6時(日本時間同日午前9時)に地滑りが起きたと速報を出した。

 これより先、当局は警戒レベルを最高の10に引き上げ、30万人以上を避難させた。

 住民の避難の調整を担う当局職員のゴラム・モストファ(Golam Mostofa)氏は、住民らが沿岸部の避難所、学校、政府機関、少なくとも400か所に避難したと、AFPに語った。

 同氏によれば、今のところ犠牲者が出たとの報告はないが、複数の家屋が損傷したり木々が根こそぎ吹き飛ばされたりしたとの情報が入っているという。

 気象当局によると、このサイクロンにより、コックスバザールやチッタゴン、その他のベンガル湾(Bay of Bengal)に面した地域で1.7メートルの高潮の恐れがある。

 バングラデシュでは例年、4月から12月にかけて大型の暴風に襲われることが多く、死者が出るほか、広範囲にわたって家屋が損壊するなどの被害に見舞われている。(c)AFP