【4月24日 AFP】欧州安保協力機構(OSCE)は23日、ウクライナ東部の親ロシア分離勢力支配地域で停戦監視団の車両が地雷に接触し、米国人要員の1人が死亡したと発表した。ロシアの支援を受ける分離派とウクライナ政府との紛争が3年余り前に勃発して以降、監視団員が犠牲になったのは初めて。

 停戦の監視に当たっている特別監視団(SMM)の副団長によると、ほかにドイツ人とチェコ人の要員各1人が負傷し、ルガンスク(Lugansk)の病院で精密検査を受けているという。

 1万人以上の死者を出しているこの紛争で、外交上最も敏感な問題の一つとなった今回の被害の責任をめぐっては、ウクライナ政府と親ロシア派が互いに相手側を非難している。

 ウクライナ東部には600人からなるSMMが展開しており、一帯で唯一の独立した監視団として活動している。

 ウクライナ政府と西側諸国は、2014年にロシア政府を後ろ盾とする当時のウクライナ指導部が追放されたことに対する報復として、ロシア政府が戦闘を画策・支援していると非難。ロシアはこれを否定するとともに、米国務省がウクライナで2013~14年に路上デモを扇動し、旧ソ連構成国のウクライナを欧米の同盟国に仕立てたと反発している。(c)AFP/Olga SHYLENKO and Yulia SILINA in Donetsk