【4月13日 AFP】エドガルド・バウサ(Edgardo Bauza)監督を解任したサッカーアルゼンチン代表が、後任の指揮官として狙っているとされるスペイン1部リーグ、セビージャFC(Sevilla FC)のホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督だが、セビージャ側は引き抜きに対しては法的措置も辞さないと抵抗の構えを見せている。

 アルゼンチンサッカー協会(AFA)は、全10チームで争う南米予選でチームが5位に転落し、W杯ロシア大会(2018 World Cup)出場に黄色信号がともったことを受け、バウサ監督を解任。クラウディオ・タピア(Claudio Tapia)新会長がスペイン遠征の予定を発表した。

 目的は、サンパオリ監督やアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)のディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督といった後任候補に会い、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)らチームの重鎮の意見を聞くことにある。

 この動きを受けて、セビージャは声明を発表し、「セビージャFCは本日、AFAに対して書簡を送付し、もしコメントが真実であれば、敬意を欠く行為とみなすと伝えました」と述べた。

「そして同時に、われわれの監督と会談や接触を持ち、クラブとの契約の破棄へ導こうとする行為は受け入れがたく、そうなればためらいなく法的措置を検討するとも伝えました」

 セビージャと2018年まで契約を残すサンパオリ監督だが、FCバルセロナ(FC Barcelona)か代表かを問わず、メッシを指揮したいという思いを隠しておらず、アルゼンチンのスポーツ日刊紙「オーレ(Ole)」で、「メッシを指揮したい。そうすれば、タッチラインから毎日彼のプレーを見られる。世界最高の選手を間近で見られるなど、他では得られない夢だ」と話した。

 セビージャ就任1年目で、数か月前までは最高のシーズンを送っていた監督だが、このところ株は急落しており、前週末のデポルティボ・ラ・コルーニャ(Deportivo La Coruna)戦に勝利するまで、未勝利が6試合続いていた。

 そのため、ルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督が今季限りの退任を発表しているバルセロナに招へいされる可能性は低いとみられるが、代表ではチリを率いてアルゼンチンを破り、コパ・アメリカ(2015 Copa America)を制したこともあって、候補としての資格は十分だといえる。

 一方、シメオネ監督は2011年12月の就任以来、アトレティコを見事に復活させており、いつかアルゼンチン代表を率いてみたいとも口にしているが、こちらもフリーになるのは来シーズンの終了を待たなくてはならない。

 いずれにせよ、新しい指揮官は残る南米予選4試合のうち3試合をメッシ抜きで戦わなくてはならない可能性が高い。メッシは0-1で敗れたチリ戦で副審を侮辱したとして、4試合の出場停止処分を科されている。

 南米予選では、確実にW杯ロシア大会(2018 World Cup)の本大会へ行けるのは4位までで、5位のチームはオセアニア地区予選勝者との大陸間プレーオフに回る。(c)AFP