【4月6日 AFP】ラグビー、元オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)のアリ・ウィリアムズ(Ali Williams)に対し、フランス裁判所は5日、コカイン購入の罪で罰金1500ユーロ(約18万円)を言い渡した。

 35歳のウィリアムズは今年2月、オーストラリア代表のジェームズ・オコーナー(James O'Connor)とともに仏パリ(Paris)の郊外で逮捕された。警察によれば、2人はコカインを所持していた上に、明らかに酩酊(めいてい)状態だったとしている。

 フランスリーグ・トップ14のRCトゥーロン(RC Toulon)を退団後、ウィリアムズは2015年に引退していたが、今季からラシン92(Racing 92)で現役復帰を果たしていた。しかし、パリのシャンゼリゼ(Champs Elysees)通り付近にあるナイトクラブの外でコカイン2.4グラムを所持していたところを逮捕され、所属クラブから解雇された。

 オコーナーがコカインの検査で陽性反応を示し、薬物使用で罰金刑が科されたのに対し、ウィリアムズは検査で陰性に戻っていた。逮捕後、オコーナーは所属クラブのトゥーロンから出場停止処分を科されていたが、先月下旬にはチーム練習に復帰。2人は今月12日、フランス・ラグビー連盟(FFR)に対して事件の説明をすることになっている。

 ウィリアムズは2011年のラグビーW杯(Rugby World Cup 2011)の優勝メンバーで、母国代表として77試合でプレーしたが、ラシン92のジャッキー・ロレンツェッティ(Jacky Lorenzetti)会長からクラブのアンバサダーを解任され、所属チームでの将来も失われた。ウィリアムズは、ロレンツェッティ会長のワイン会社で広告塔も務めていた。

 この事件は母国ニュージーランドでも大問題として伝えられている。地元メディアのフェアファックス・ニュージーランド(Fairfax New Zealand)でコラムニストを務めるケビン・ノーキー(Kevin Norquay)氏は、伝統的な民族舞踊のハカ(Haka)の中心にいた選手として、ウィリアムズの行為は元オールブラックスにあるまじきことだと糾弾した。

 ノーキー氏は「アリ・ウィリアムズはオールブラックスの誇り高き名を白い粉で汚した」とすると、「彼はただの愚かな少年というだけでなく、パリのナイトクラブの外でお金を持って羽目を外した」と記事につづった。

「彼はアリ・ウィリアムズ。オールブラックスのロック(LO)、テストマッチ77キャップ、2011年W杯の優勝メンバー。シルバー・ファーンのユニホームを着用し、ハカの術者だ」 (c)AFP