【3月19日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督が18日、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich AlbionWBA)に1-3で敗れた試合後、自身の去就について決断を下したことを明らかにした。

 1996年からアーセナルの指揮を執るベンゲル監督は、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)の決勝トーナメント1回戦で、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に2試合合計スコア2-10の大敗を喫した前後から、大きな重圧にさらされていた。

 クラブ側は67歳のベンゲル監督に2年契約を打診しているとされているが、指揮官に対する評価は割れている。就任からの9シーズンで7個のタイトルを獲得したベンゲル監督だが、その後は12シーズンでFAカップ(FA Cup)を2回制しただけに終わっている。

 ベンゲル監督は試合後、「自分の将来についてはわかっている。みなさんにも間もなく伝える。すぐにわかるよ」とコメントした。

「きょう心配しているのはそのことではない。われわれは現在、この20年で一度もなかった困難な時期にある。チームは敗戦が続いており、私の去就よりもそっちの方が重要だ」

「このような状況は今までなかっただけに、とても心配している。ここから巻き返すのは並大抵のことではない。状況を改善し、今後の試合に集中しなければならない。まだ大一番が残っている。まずはしっかり回復して、シーズン終盤戦に向けて良い準備をしたい」

 この日の試合前には、対立しているサポーターグループが、それぞれベンゲル監督の退任と留任を求めて無人機を飛ばすという新しいアピールに出た。

 まずは試合開始前、「契約するな、ベンゲル出ていけ」と書かれた横断幕をたなびかせた飛行機がスタジアム上空を飛ぶと、前半16分には、今度は「アーセンを信じる。AWにリスペクトを」と書かれた横断幕を付けた飛行機が現れた。

 試合終了時には、一部のファンが「ベンゲル出ていけ」と書かれた横断幕を掲げる場面もあった。

 リーグ戦最近5試合で4敗目を喫したアーセナルは、チャンピオンズリーグ出場圏内の4位との勝ち点5差を詰められなかったばかりか、守護神ペトル・チェフ(Petr Cech)が筋肉系の故障で交代し、さらに大黒柱のアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)も足首をかなり痛めた可能性があるという。

 ベンゲル監督は「われわれはふくらはぎ痛でチェフを前半に失い、さらにサンチェスも負傷した。サンチェスはピッチに残ったが、後半は本来の姿が見られなかったので交代した。足首の状態は良さそうにはみえない。うまくいかないときというのは、いつもこういう感じだ」と語っている。

 元アーセナルのティエリ・アンリ(Thierry Henry)氏は、チームの出来を厳しく評価し、「勝利への意欲も、全力を尽くそうとする姿勢も、プレミアリーグの試合に勝てるレベルには程遠い」とコメントした。

 アーセナルのアレックス・オックスレイド・チェンバレン(Alex Oxlade-Chamberlain)も、チームの出来は「話にならない」ものだったとし、ファンに謝罪した。(c)AFP/Steve MADELEY