■政治的なオスカー

 クライマックスでの大失態さえなければ、今年のアカデミー賞授賞式は、「政治的なオスカー」として長年、語り継がれることになっただろう。

 外国語映画賞を受賞した作品「セールスマン」のファルディ監督は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の移民政策に抗議し、授賞式を欠席。同氏は声明を発表し、「米国への移民の入国を禁じた非人道的な法律によってさげすまれた私の国、そして他6国家の人々に対する尊敬の念から欠席する」と語った。

 授賞式の会場では、団結の象徴である青いリボンをつけた出席者たちの姿が多数見られた。また、司会のジミー・キンメル(Jimmy Kimmel)は放送中にトランプ米大統領に向けてツイートするなど、政治的なジョークを散りばめながら式を進行させた。途中には「トランプ大統領にお礼を言いたい。昨年はオスカーが人種差別的だったことは覚えているでしょう? それはもうない。彼のおかげでね」と揶揄する場面もあった。(c)AFP