【2月6日 AFP】トルコ警察当局は5日、全国規模での作戦を通じて、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のメンバーとみられる容疑者450人近くを拘束した。同国イスタンブール(Istanbul)のナイトクラブで1月に発生した銃乱射事件の発生から約1か月後の大規模作戦となった。新年のパーティーを標的とした事件をめぐっては、後にISが犯行声明を出している。

 半国営のアナトリア(Anadolu)通信は、事件から約1か月後に行われた同日の作戦では、容疑者448人の身柄が拘束されたと報じた。高級ナイトクラブ「レイナ(Reina)」で39人が死亡した新年の事件以降、ISに対する最大規模の作戦となった。

 またドアン(Dogan)通信とアナトリア通信が伝えたところによると、拘束された容疑者には、トルコ国内で複数の攻撃を計画していたとみられるものや外国人も含まれているという。

 同国南東部シャンルウルファ(Sanliurfa)では、ホテルや民家を対象にした作戦で150人の身柄を拘束。容疑者は全員シリア人だった。また、過激派の存在が知られていたシリア国境近くのガジアンテプ(Gaziantep)では47人、同じく国境沿いのハタイ(Hatay)でも38人が拘束された。

 その他、首都アンカラ(Ankara)の4地区で外国人を中心に60人、西部ブルサ(Bursa)から地中海に面するアンタルヤ(Antalya)、そして東部ビンギョル(Bingol)に至るまでの複数の県でも数十人が拘束されている。

 テレビで報じられた映像には、夜明け前の作戦で、防護服を着た警察がドアを壊して突入する様子が捉えられていた。

 他方でアナトリア通信が伝えたところによると、普段はのどかなエーゲ海(Aegean Sea)を望む都市イズミル(Izmir)でも、シリアを行き来しながら、市内で複数の攻撃を計画していた容疑者9人が拘束されたと伝えている。

 このうちの1人のシリア人は、密入国ブローカーらと連絡を取り合い、IS戦闘員らの欧州への逃亡を手助けしていたとみられるという。(c)AFP/Stuart WILLIAMS