【1月7日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領の政権移行チームが、オバマ政権下で政治任用された各国駐在大使に大統領就任式までに辞任するよう求めたことを受けて初めて、駐カナダ米大使が6日、辞任の意向を明らかにした。

 ブルース・ヘイマン(Bruce Heyman)駐カナダ米大使は「要請に従い、1月20日をもって駐カナダ米国大使を辞任する」とツイッター(Twitter)に投稿した。ヘイマン大使は退任するバラク・オバマ(Barack Obama)現大統領と親しい。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は5日、トランプ氏の政権移行チームが、キャリア外交官としてではなくオバマ政権下で政治任用された大使らに対し、20日の大統領就任式の日までに辞任するよう命じる一括要請を送ったと報じていた。同紙はこの方針に詳しい外交官筋の談話として引用している。

 政治任用で任命される大使らは、任命する大統領本人と親しい人物であることが多い。ニューヨーク・タイムズによると、これまでは政権交代後も数週から数か月の間は留任が認められてきたが、トランプ次期政権の動きはこうした先例を破るものとなる。各国駐在大使の任命には上院の承認が必要で、トランプ次期政権のこの決定により、主要国に何か月間か米国大使が駐在しない状態が生じる可能性がある。(c)AFP