【11月24日 AFP】スペイン検察は23日、同国1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)に対し、移籍時の詐欺罪により禁錮2年と罰金1000万ユーロ(約11億9000万円)を求刑した。

 検察は、このスキャンダルに関連して2014年に辞任したFCバルセロナのサンドロ・ロセール(Sandro Rosell)前会長に対しても、禁錮5年を求刑している。

 2013年当時、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサントスFC(Santos FC)に所属していたネイマールの権利のうち、40パーセントを保有していた投資ファンドのDIS社の訴えにより事件は発覚した。DIS社はこの日、ネイマールと同選手の代理人を務めるネイマールの両親に禁錮5年、ロセール氏とFCバルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)現会長に禁錮8年、そしてFCバルセロナに対しては1億9500万ユーロ(約230億円)の罰金を請求していた。

 スペインでは、初犯における2年以下の禁錮刑の場合、執行猶予が付く。しかしながらDISは、禁錮の判決がどれほどの長さになろうとも、その間ネイマールはプレーすべきではないと勧告している。

 FCバルセロナは当初、ネイマールの移籍金は5710万ユーロ(約68億円)としていた。このうち1710万ユーロ(約20億円)がサントスに、残る4000万ユーロ(約47億円)はネイマールの家族が経営する会社に支払われた。しかしながら検察側は、実際の移籍金は8330万ユーロ(約100億円)にまで膨れ上がったとみている。

 サントスに支払われた移籍金の40パーセントにあたる680万ユーロ(約8億円)を受け取ったDIS社は、FCバルセロナ、サントス、ネイマール家が本当の移籍金の額を隠匿し、実際に支払われる分配金をごまかしたとしている。

 裁判所は今年7月、2013年に同選手がバルセロナに移籍した際に不正があったとした上で、本件は刑事裁判ではなく、民事裁判で解決されるべき問題だとの判決を下していた。しかしながら検察は、ネイマールと父親が、DIS社にとって不利益となるFCバルセロナとサントスの不正な契約を潜在的に認識していたとして、この判決を覆していた。(c)AFP/Kieran CANNING