■「ターニングポイント」になったデビス杯

 マレー戦についても、全米オープン準々決勝での勝利や、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2016)での対戦が自信につながっているという。

 故障の多さから「体の強さに問題がある」というイメージもあった錦織は、デビスカップの対戦では惜敗したものの、そこでマレーのようなトップ選手とも戦えるスタミナがついたと感じることができた。

「デビスカップは僕にとって分岐点でした。負けはしましたけど、アンディ相手にすごく良いプレーができた。彼に勝てそうだと感じることはほとんどないのですが、あの試合はいい感触があって、十分に勝てるチャンスがありました」

「それが自信につながり、全米では勝つことができた。僕にとってすごく大きな経験で、すごく自信になりました。あの2試合からはたくさんのことを学べたんです」

 大会での躍進に向け、自身について前向きなコメントが続く錦織だが、ほかのテニス関係者同様、マレーとノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の世界ランキング1位をめぐる争いにも注目していることを明かしている。

「アンディが1位を奪ったのにはびっくりしました。最高の一年を送っていて、見ていてすごいと思いました。だけどノバクが1位を奪い返して今年を終える可能性もあると思います」

「ここ数か月かの彼はベストじゃありませんでした。でもファイナルは最高の舞台ですから、きっとベストの状態に戻してくるはずです」

(c)AFP/Steven GRIFFITHS