【11月12日 AFP】米大統領選で勝利した共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏からかつてわいせつ行為を受けたと名乗り出た女性の1人が、トランプ氏が裁判に訴えると脅すことを続けた場合は、対抗して訴訟を起こすと表明した。

 かつてトランプ氏が司会を務めたリアリティー番組「アプレンティス(The Apprentice)」の出演者で、同氏からわいせつ行為を受けたと主張しているサマー・ザーボス(Summer Zervos)さんは記者会見で、動揺した面持ちで「彼は今や世界でも最高の公職の権威を手にしたが、いまだ私や他に名乗り出た女性たちを訴えるという脅しを撤回していない」と話した。

 トランプ氏にわいせつ行為を受けたことがあるとして、選挙前に次々と被害を訴え出た女性のうちザーボスさんら3人の代理人を務める弁護士のグロリア・アルレッド(Gloria Allred)氏によれば、現時点でトランプ氏に対する訴訟を起こす意思はザーボスさんにはないが、トランプ氏が女性たちを訴えると述べた言葉を実行に移せば、状況は変わるだろうと警告した。

 アルレッド弁護士は「実際にトランプ氏が女性たちを訴えれば、私は彼女たちに名誉棄損での提訴を勧める」、「米国の大統領になる前の行動や発言について、大統領を訴えることは可能だ」と述べた。

 さらに同弁護士は、トランプ氏が選挙戦中、自分を非難した女性たちを「うそつき」と表現した言葉について撤回するよう求めた。

 ザーボスさんは先月、雇用機会について話すためとして2007年にビバリーヒルズ(Beverly Hills)のホテルでトランプ氏と会った際に、胸を触られるなど望まない性的誘いを受けたと話していた。(c)AFP