■レブロンにつきまとうジョーダン氏の「亡霊」

 ジェームズは高校バスケの選手時代に、スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)誌の記事で「自分のモチベーションは、シカゴでプレーしていた亡霊を追いかけること」と話していた。

「自分がやってきたことは、彼が果たしたこととはかけ離れている。彼は信じられないことを成し遂げ、そのことで自分の目は開かれた。彼のことを本当に尊敬していた。もし、最高の選手として認められるところまで到達できたら、それは本当にすごいことだ」

 現在53歳になるジョーダン氏は、ブルズでプレーしていた1990年代に通算6度のNBAファイナル制覇を果たし、ファイナルMVPにも毎回選出された。さらには通算5回のレギュラーシーズンMVP受賞、通算14回のオールスターゲーム(NBA All-Star Game)選出、そして通算10度の得点王も獲得しているほか、プレーオフの通算得点数では歴代1位を誇り、レギュラーシーズンの通算得点数でも歴代4位につけている。

 今やシャーロット・ホーネッツ(Charlotte Hornets)を所有する裕福なオーナーに転身したジョーダン氏は、野球選手への挑戦に失敗した時代を挟み、1990年代のNBAで2度の現役生活を経たのちに引退した。

 一方、ジェームズはジョーダンが通算3個目のタイトルを獲得したときと同年齢で、自身も通算3個目のタイトルを手にしたが、ファイナルの進出回数は昨季までの6年連続を含め、すでに通算7回で上回っている。ファイナルMVPには2011-12、2012-13、そして2015-16シーズンの計3度にわたり選出されており、オールスターにもこれまで12回選ばれているが、レギュラーシーズンの得点王に輝いたのは2007-08シーズンだけとなっている。

 若手時代の両者は、高い跳躍からのダンクやアクロバティックなボールさばきで知られてきたが、年を重ねるにつれてチームメートの才能を生かすようになってきた。