【9月5日 AFP】トルコ政府は4日、同国軍などがシリア北部の対トルコ国境地帯にあったイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最後の拠点からIS戦闘員を排除したと発表した。

 トルコのビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)首相はテレビ放映された演説で、トルコ軍とシリアの反体制派が両国の国境地帯のシリア側で「テロ組織」を撃退したと述べ、ISから人員補充や物資補給の主要中継地を奪ったと明らかにした。首相によると、シリアのアレッポ(Aleppo)県アザズ(Azaz)から同国の要衝ジャラブルス(Jarabulus)までの国境沿い91キロを完全に確保したという。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」もこれに先立ち、シリアの対トルコ国境の幾つかの村からISが撤退し、国境地帯でプレゼンスをなくした後、トルコの戦車と軍用機に支援された反体制派やイスラム主義勢力がこれらの村を占拠したと報告していた。

 シリア北部でクルド人勢力が実質的な自治区を形成することを恐れるトルコ政府は、同政府がテロ組織とみなすクルド人民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」が国境沿いで勢力を拡大することに神経をとがらせている。トルコによる国境地帯の掌握は、米主導の対IS有志連合に協力することで支配領域を拡大してきたYPGにも打撃を与えそうだ。(c)AFP/Raziye Akkoc and Sara Hussein in Beirut