【8月1日 AFP】ドイツ西部ケルン(Cologne)で7月31日、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の支持者が大規模な集会を開き、警察発表で約4万人が参加した。一方、トルコ側は当初予定されていたエルドアン大統領らの動画中継が禁止されたことに強く反発した。

 参加者たちはトルコの旗を振り、「トルコ、トルコ」と唱和。ライン(Rhine)川そばの会場を赤一色に染め上げた。トルコやドイツの国歌も斉唱し、「エルドアン、自由のための闘い」などと書いたプラカードを掲げる人もいた。

 独日刊紙「ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)」によると、集会にはドイツ生まれのトルコのアキフ・チャアタイ・クルチ(Akif Cagatay Kili)青年スポーツ相も登場。「ドイツにいる同胞たちがトルコの民主主義のため、軍(の一部)によるクーデター未遂への抗議のために立ち上がった」と気炎を上げた。

 集会は親エルドアンの欧州トルコ民主連合(UETD)などが主催。より規模の小さいカウンター(対抗)デモも起き、警察が一部の右翼ナショナリストのトルコ人やクルド人を排除した。

 7月15日に起きたクーデター未遂事件を受けてエルドアン大統領は大規模な粛清に乗り出しており、これまでに1万9000人近くを拘束。国際社会の懸念を招いている。31日にも大統領の側近1人を含む軍人1400人近くを解任した。

 事件の影響は、在外トルコ人コミュニティーとしては世界最多の300万人が暮らすドイツにも波及している。

 ケルンでの集会の数時間前にドイツの憲法裁判所は、エルドアン大統領をはじめとする政治家のスピーチの生中継を禁止する判断を下した。これらのスピーチをめぐっては参加者を一段とたきつける恐れがあると危惧されていた。

 憲法裁の判断はトルコ側で激しい怒りを巻き起こし、イブラーヒム・カルン(Ibrahim Kalin)大統領報道官は、「表現の自由と自由な集会の権利を侵害するものだ」と主張し、禁止は承服しがたいと反発した。(c)AFP/John Doeby Richard HEISTER with Stuart WILLIAMS in Istanbul