【7月22日 AFP】サッカースペイン代表の新監督に就任したフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)氏は21日、ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)前監督が築いた土台を基にチームを構築する考えであることを明かした。

 スペインサッカー連盟(RFEF)は、欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の決勝トーナメント1回戦でイタリアに敗れて辞任したデル・ボスケ氏の後任に、スペインの世代別代表を指揮して実績を上げた49歳のロペテギ氏を指名した。

 マドリード(Madrid)郊外のラス・ロサス(Las Rozas)にあるRFEF本部で会見したロペテギ氏は、「改革というより、われわれが備えているアイデアを進化させることになる」と語っている。

「長年にわたり築いてきたスペインサッカーの強みを最大限に生かしたい。それを無駄にするつもりはない。だがわれわれは常にライバルに対応していく。サッカーは止まってくれない。スペインサッカーの過去に誇りを持ちつつ、未来を見据えていく」

 前任者のデル・ボスケ氏は、2008年の欧州選手権(UEFA Euro 2008)でスペインを優勝に導いた故ルイス・アラゴネス(Luis Aragones)氏の後を引き継ぐと、2010年のW杯南アフリカ大会(FIFA World Cup 2010)で同国の初優勝を達成。さらに4年前の欧州選手権(UEFA Euro 2012)で大会連覇を果たした。

 しかしW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でまさかのグループリーグ敗退を喫したスペインは、先日の欧州選手権でも決勝トーナメント1回戦でイタリアに0-2で敗れており、若手を登用しなかったとしてデル・ボスケ氏は批判を浴びていた。

 今年1月にポルトガル1部リーグのFCポルト(FC Porto)の監督を解任されたロペテギ氏は、RFEFと2年契約を結んでおり、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)までチームを指揮することになる。

 スペインのU-19、U-21代表を率いて成功を収めたロペテギ氏は、今後ミシェル・プラティニ(Michel Platini)氏の後任を決める欧州サッカー連盟(UEFA)の会長選に力を注いでいくことになるRFEFのアンヘル・マリア・ビジャール(Angel Maria Villar)会長のお気に入りとされていた。

 報道によるとロペテギ氏は、セビージャFC(Sevilla FC)やアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)の監督を歴任したホアキン・カパロス(Joaquin Caparros)氏との厳しいポスト争いを制したとされている。

 選手としても監督としても成功を収めているロペテギ氏は、現役時代はベンチ生活が長かったもののレアル・マドリード(Real Madrid)やFCバルセロナ(FC Barcelona)でプレーし、1991年から1994年にかけては当時1部だったUDログロニェス(UD Logrones)で活躍した。

 2002年に選手生活にピリオドを打ったロペテギ氏は、その翌年に自身現役最後のクラブで現在2部のラージョ・バジェカーノ(Rayo Vallecano)の監督に就任。その後はレアル・マドリード(Real Madrid)の下部組織、レアル・マドリード・カスティージャ(Real Madrid Castilla)でも指揮を執った。

 バスク(Basque)自治州出身のロペテギ氏は、2010年から2014年にかけてスペインU-19、U-20、U-21代表を率いて指導者としての地位を確固たるものにした。

 2012年のU-19欧州選手権(2012 UEFA European Under-19 Championship)でスペインを優勝に導いたロペテギ氏は、その1年後のU-21欧州選手権(UEFA European Under-21 Championship 2015)では、今年の欧州選手権にも出場したダビド・デ・ヘア(David de Gea)、ティアゴ・アルカンタラ(Thiago Alcantara do Nascimento)、アルバロ・モラタ(Alvaro Morata)らを選出している。

 ロペテギ氏は、9月1日に行われるベルギーとの親善試合で初陣を飾る。(c)AFP/Gabriel RUBIO - GIRON