【7月6日 AFP】イタリアの富豪で元首相のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏(79)は5日、自らが所有するイタリア・セリエAのサッカークラブ、ACミラン(AC Milan)を中国の投資家に売却する用意はできていると語った。

 同クラブの会長であるベルルスコーニ氏は、心臓手術を終えて退院する際、記者団を前に「売却額に関する主張はすべてあきらめ、私に提示されたものを受け入れた。(ACミラン)ブランドの重要性は考慮さえされていないものだったが」と語った。さらに投資家の名前は伏せつつ「公的資金(の支援)がある中国企業」だと述べた。

 また、新オーナーとなる交渉相手には向こう2年間、財政難のクラブに少なくとも4億ユーロ(約445億円)を投資することを要求したと明かした。

 ベルルスコーニ会長は、欧州制覇7度の実績があるものの低迷が続くACミランを、当初は「イタリア人の手元に」残すことを希望していた。だがクラブは5月、会長が所有する持ち株会社フィニンベスト(Fininvest)が、中国の合弁企業と真剣な話し合いに入ったことを明らかにしていた。

 買い手について伊メディアでは、中国インターネット通販大手アリババ(阿里巴巴、Alibaba)の創業者で、サッカークラブの広州恒大(Guangzhou Evergrande)オーナーでもある世界有数の富豪、ジャック・マー(Jack Ma)氏ではないかとの臆測が飛び交っている。

 今回の買収が実現すれば、ACミランは、2014年11月にインドネシアの実業家エリック・トヒル(Erick Thohir)氏に買収されたインテル(Inter Milan)に続き、アジア人オーナーに売却される2番目のミラノ(Milan)のクラブとなる。(c)AFP/Ella IDE