■爆弾の可能性は低い?

 捜査当局は、乗客乗員66人全員が死亡した19日の墜落の原因究明で結論に飛び付こうとしているわけではないと強調しているが、同機と少しでも関係があった空港の地上職員全員から話を聞いたという。

 調査にはフランスの航空警察や国境警察、複数の情報機関の緊密な協力が必要となる。これらの機関は短時間でパリを通過した同機に何が起きたのか明らかにしようとしている。

 エジプト航空のエアバスA320型機は、エジプトのカイロからパリに18日午後9時55分(日本時間19日午前4時55分)ごろ到着し、約1時間後の同日午後11時9分(日本時間19日午前6時9分)に再びカイロに向けて離陸していた。

 捜査当局は墜落原因究明のため、防犯カメラ映像で乗客・乗員、整備員、荷物係員など航空機と接触した人物を特定するなどあらゆる方策を取っているが、今のところ疑わしい人物や保安上の不備などは見つかっていないという。

 別の捜査関係者はAFPに対し、空港の保安対策はきちんと行われていたようだと述べた一方、「テロリストが原因という仮説が除外されたわけではないが、爆弾より人間の行動だったのではないか」と話し、仮に犯罪行為による墜落だった場合、原因は機体に仕掛けられた爆弾というよりも、機内にいた人物による何らかの行為の可能性の方が高いと示唆した。

 関係者によると、パリでは墜落した旅客機に貨物は積み込まれず、乗客の手荷物と預かり荷物は厳しい検査を受けており、パリで機内に爆弾が持ち込まれた可能性は「ほぼあり得ない」という。