【5月21日 AFP】フランス捜査当局は、19日のエジプト航空(EgyptAir)機墜落を受け、首都パリ(Paris)のシャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)空港で保安体制に不備がなかったか再検証している。同空港では昨年パリで発生した連続襲撃事件後に数百人の従業員が保全許可を失っていた。

 パリ発エジプト・カイロ(Cairo)行きのエジプト航空機墜落の真相究明までにはまだ遠く、同機がテロ攻撃の犠牲になったのか、あるいはフランス国内で何らかの保安上の不備があったのかは分かっていないが、同空港の保安スタッフは先手を取って安全対策を実施している。

 パリの北に位置する同空港では、昨年1月に発生した同国の週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社とユダヤ系スーパー襲撃事件の後、例外なしの強硬策で従業員管理を行っており、8万6000人の従業員のうち、600人の保全許可を剥奪した。

 犯罪歴がある従業員全員が保全許可を失ったほか、従業員の調査を行った警察当局によると、従業員のうち85人がイスラム過激派に共感している恐れがあるとされたという。捜査当局筋によると、さらに400人が過激思想を持つ可能性があるとして現在も調査対象になっている。

 捜査当局は、過激思想を持つ人間が一人でも保安区画にアクセス可能になれば重大な脅威になるとして、従業員の過激化のささいな兆候にも目を光らせている。男性従業員が女性と話すことや女性から指示されることを拒否するだけでも要注意人物とされ、保全許可を剥奪する理由になるという。