【4月22日 AFP】太陽エネルギーのみでの世界一周飛行に挑戦中の次世代ソーラー飛行機「ソーラー・インパルス2(Si2)」が21日、米ハワイ(Hawaii)を出発し、その旅を再開した。

 操縦は、スイス人冒険家のベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)氏が担当。強風のため、予定より約75分遅れの現地時間午前6時15分(日本時間22日午前1時15分)にカラエロア空港(Kalaeloa Airport)を離陸した。

 3万5000キロの世界一周飛行の半分近くを終えていた同機は昨年7月、名古屋からハワイへ向かう6400キロの太平洋横断の最終段階で、熱帯地方の高温によりバッテリーが故障。飛行の中断を余儀なくされ、修理に数か月が費やされた。

 元スイス空軍のベテラン飛行士、アンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏と交代で同機を操縦するピカール氏は、ハワイからカリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Fransisco)南東40マイル(約64キロ)のマウンテンビュー(Mountain View)まで、2300マイル(約3700キロ)以上を飛行する。全航程13区間の9区間目となる今回の航程は、59時間の飛行となる予定。

 1万7000個の太陽電池を動力源としたソーラー・インパルス2は昨年、再生可能エネルギーの使用促進を目的とするプロジェクトのもと、アラブ首長国連邦(UAE)から世界一周飛行を開始した。

 同機は今後、米本土を横断してニューヨーク(New York)から欧州に向かい、そこからスタート地点のアブダビ(Abu Dhabi)帰還を目指す。バッテリーの損傷は、旅程中に起きた一連の故障や障害のうち、最新のものだった。(c)AFP/Eugene Tanner with Frankie Taggart in Los Angeles