【4月5日 AFP】ニュージーランドのヘレン・クラーク(Helen Clark)前首相(66)が4日、次期国連(UN)事務総長選挙に立候補し、国連初の女性事務総長を目指す意向を表明した。

 1999~2008年の3期にわたりニュージーランド首相を務めたクラーク氏は、7年前から国連最大の機関、国連開発計画(UNDP)の総裁を務め、多岐にわたる開発課題を統括。現在、国連で最も高位職に就く女性となっている。

 クラーク氏はAFPのインタビューで、ニュージーランドと国連で30年にわたりリーダーシップを取ってきた経験を基に、潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長の後任を選ぶ選挙に立候補する意向を表明。同国のジョン・キー(John Key)首相も首都ウェリントン(Wellington)で記者会見し、政府として正式にクラーク氏を次期国連事務総長に推薦すると発表した。

 来週行われる国連総会(UN General Assembly)では、国連の70年の歴史で初めて各候補者の公聴会が開かれる予定。次期事務総長は7月に国連安全保障理事会(UN Security Council)が実施する投票で決定し、国連総会での承認を経て、来年1月1日に就任する。

 クラーク氏以外に、ブルガリア出身のイリナ・ボコバ(Irina Bokova)国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)事務局長、ポルトガル出身のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)前国連難民高等弁務官など7人が立候補しており、うち3人が女性だ。

 中でもクラーク氏は国連外交官らの間で有力視されているが、国連常任理事国の英国、中国、フランス、ロシア、米国からどれほどの支持を集めることができるかは未知数だ。ロシアは、次期国連事務総長には、これまで唯一選出されたことのない地域である東欧の出身者がふさわしいと主張している。(c)AFP/Carole LANDRY