【1月7日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は7日、シリアからの難民が昨年上半期に70万4400人増加して、同事務所が支援する難民グループとして最多となったとの報告書を発表した。昨年6月までの難民は300万人を超えており、今年12月には427万人に達する見通しという。

 報告書の発表に先立ち、UNHCRのアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)高等弁務官は6日、「シリアとイラクにおける大規模な危機、そして過去の危機が解決しないままに新たな危機が起きることにより、世界の避難民の状況は第2次世界大戦(World War II)以降最悪となっている」と警告していた。世界の避難民数は1945年以来初めて5000万人を超えたという。

 UNHCRの報告書によると、シリアからの難民は過去30年以上にわたって最多だったアフガニスタンを超え、同事務所が支援する難民グループとして最多となった。シリアとアフガニスタン(270万人)に次いで難民が多いのは、ソマリア(110万人)で、その後、スーダン(67万人)、南スーダン(50万9000人)、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ミャンマー、イラクと続く。UNHCRの管轄外ではパレスチナ難民が推定500万人に上っている。

「シリアからの難民は2014年6月までに300万人を超え、UNHCRが支援する難民の23%を占めるようになった」と報告書は述べた。UNHCRによると2014年上半期に全世界の難民は140万人以上増加し、シリアからの難民はその約半数にあたる70万4400人に上った。

 2011年3月以降のシリアにおける紛争では、20万人以上が死亡し、人口の半数近くが避難民となっている。(c)AFP