【3月31日 AFP】国家分裂状態にあるリビアで30日、国連(UN)の後押しを受けて挙国一致内閣の樹立を目指すファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相が首都トリポリ(Tripoli)に入った。しかし、トリポリを実効支配するイスラム政治勢力がシラージュ氏の退去を要求する中、市内のテレビ局を武装グループが襲撃。平和的な権限移譲に暗雲が立ち込めている。

 襲撃を受けたのはトリポリ中心部にある衛星テレビ局アルナバ(Al-Nabaa)本社。同局の記者2人によると、武装グループは回線を切断し、社内にいた従業員を追い出したという。放送は中断されたままだが、負傷者はないという。

 アルナバはトリポリを拠点とするイスラム政治勢力の政権に近いテレビ局だが、国際社会はこの政権を承認していない。アルナバのある記者はAFPに対し、襲撃グループはシラージュ氏を擁する挙国一致内閣の支持者たちのようだったと証言した。

 リビアでは、2014年夏にイスラム武装組織連合が首都を掌握して独自政権の樹立を宣言し、国際社会が承認する政権は同国東部への退避を余儀なくされた。以来、国内に2つの政権が併存する事態が続いている。

 元実業家のシラージュ氏は昨年12月、統一政府の樹立に向けた国連の仲介による和解案に基づいて暫定首相に就任。30日に海軍に伴われ、閣僚数人とともに海路でトリポリ入りした。これに対し、トリポリを掌握する勢力は国家非常事態を宣言するとともに、シラージュ氏に対し首都を退去するか、自分たちに投稿するかの選択を迫っている。現地のAFP記者によると、市内では30日夜、複数の幹線道路が外国製の軍用車両に乗った武装グループに占拠された。(c)AFP/Mohamad Ali Harissi