【3月26日 AFP】アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は25日、米軍がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のナンバー2を今週殺害し、ISのイラクとシリア、諸外国における作戦実行能力に大きな打撃を与えたと述べた。

 殺害されたのはISの「財務相」で、外国での襲撃計画にも関与していたというアブドルラフマン・ムスタファ・カドゥリ(Abd ar-Rahman Mustafa al-Qaduli、別名ハジ・イマム Haji Imam)容疑者。

 カーター国防長官は、オマル・ザ・チェチェン(Omar the Chechen)として知られたISの「国防相」に相当する幹部、アブ・オマル・シシャニ(Abu Omar al-Shishani)容疑者を今月殺害していたことにも言及し、記者団に対して「われわれはISIL(ISの別称)の指導部を計画的に抹殺している」と語った。

 米司法省はカドゥリ容疑者に関する有力な情報に700万ドル(約7億9000万円)の懸賞金をかけていた。カーター国防長官は「数か月前、われわれはISILの財務基盤を攻撃すると述べたが、まず(資金)保管施設の攻撃から開始し、今回は財務相を殺害したことで、(ISが)戦闘員に支払う賃金や、新規参加者を募る能力に打撃を与えている」と述べた。

 カーター国防長官は「(IS掃討)作戦で今、勢いがあるのは確実にわれわれの側だ」と述べ、「われわれはISIL掃討作戦の烈度と種類を拡大している」と付け加えた。

 同国防長官はカドゥリ容疑者を殺害したのは無人機による攻撃なのか、それとも有人機による空爆なのか、また作戦が実行されたのはシリア領内なのかイラク領内なのかといった詳細については言及を避けたが、イラク国内における作戦のすべては、イラク政府の許可を得てから行っていると語った。(c)AFP/Laurent BARTHELEMY