【3月16日 AFP】イングランド・プレミアリーグで、当初は伏兵とみられていたレスター・シティ(Leicester City)が快進撃を続けていることについて、専門家の多くは、成功の秘訣(ひけつ)が一体何なのか、頭を悩ませている。

 しかし、あるタイ人の僧侶によれば、少なくとも理由の一つは仏教でいうところの「業(カルマ)」だという。

 この3年間、6人の僧侶を従えて定期的にレスターの試合に足を運び、ピッチで経を唱えたり、選手に縁起物を渡したりしているという64歳の僧侶は、バンコク(Bangkok)の寺院でAFPの取材に応じ、「お守りを選手の首にかけたり、こういったものを渡したりしています」とすると、レスターのクラブエンブレムの周りに神聖な絵柄が散りばめられれているバナーを見せた。

「選手たちが私の説明を理解しているかどうかは分かりませんが、幸運をもたらすものだということは承知しているようです」

 世界屈指の人気を誇るプレミアリーグで首位を走るレスターは、タイ人実業家のウィチャイ・シーワタナプラパー(Vichai Srivaddhanaprabha)氏がオーナーを務めており、ユニホームの胸には企業名「キングパワー(King Power)」の文字が記されている。

 2010年にヴィチャイ氏がチームを買収してから、最初の数年こそ低迷したものの、プレミア昇格を果たし、今やその頂点に立っているレスターは、冷静なクラブ運営に加え、選手や監督の人事も的確だと、球団幹部に称賛の声が寄せられている。

 レスターの試合に少なくとも10回は足を運んでいるという僧侶は、目立つのを嫌うことで知られるウィチャイ氏が敬虔(けいけん)な仏教徒で、カルマを強く信じていると明かし、「彼が僧侶を連れていくのは、クラブと選手に吉兆と幸運をもたらすためです」と話した。