■本拠地にも僧侶の姿

 仏教文化において縁起物は身近なもので、幸運をもたらすとされるものがあちらこちらに飾られ、人々の胸や車のバックミラーにぶらさがっている光景をよく目にする。

 AFPが取材した僧侶が修行の拠点としている寺院では、参拝をしたり縁起物を購入したする仏教徒の姿が多く、中には中国やマレーシアなどから訪れる人もいるという。

 こうした仏教の慣習について、当初はレスターの選手も違和感を覚えたかもしれないが、現在では、濃い黄色の法衣をまといキング・パワー・スタジアム(King Power Stadium)の通路を静かに歩く僧侶の姿にも慣れたようだ。

「彼らは僧侶の姿を見て喜んでいました。私たちを歓迎し、儀式にもきちんと参加してくれます。宗教は違っても、私たちは互いに良き友人として親しい間柄です」

 2位のトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に勝ち点5差をつけるレスターが、残り8試合を逃げ切り、タイトルを獲得できるかに注目が集まっているが、取材した僧侶は、選手が仏教パワーを味方にしながら、「スタミナと強い精神力でプレーし、懸命に戦い続けている」と確信している。

 レスターが優勝するか聞かれた僧侶は、人さし指を上げてにっこり笑いながら、「絶対に、このチームが今年のプレミアリーグで1番になるでしょう」と断言した。(c)AFP/Marion THIBAUT