【2月25日 AFP】（写真追加、更新）南極で、オーストラリアの観測砕氷船「オーロラ・オーストラリス（Aurora Australis）号」が猛吹雪による係留装置の破損のため座礁し、豪観測隊の隊員ら68人が極寒の悪天候の中で身動きがとれなくなっている。

　オーストラリア南極局（AAD）によると、オーロラ・オーストラリス号は24日、豪モーソン基地（Mawson Station）に補給物資を届ける任務のため同基地のあるホースシュー・ハーバー（Horseshoe Harbour）に停泊中、風速約36メートルの猛吹雪に見舞われ、同湾のウエストアーム（West Arm）に座礁した。

　観測隊員と乗組員68人は全員無事で、天候が回復し次第、モーソン基地へ移送する予定。悪天候のため船の状況は完全には把握できていないが、船体の一部が損傷しているという。ただ、AADによれば損傷したのはバラストタンクのある部分で、船の安定性への影響や燃料漏れなどの恐れはないという。

　英海運大手P&O（P&O Maritime）が保有するオーロラ・オーストラリス号は、豪タスマニア（Tasmania）島のホバート（Hobart）を1月11日に出港し、南極ケルゲレン海台（Kerguelen Plateau）での海洋科学調査を終えて今月20日にモーソン基地に到着していた。(c)AFP/Martin PARRY