【2月5日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の女子シングルスを制したアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber)は4日、ルーツを持つポーランドのためにプレーしてほしいと同国の新聞で報じられたが、「私はドイツ人」と強調し、その可能性を一蹴した。

 ポーランドのガゼタ・ヴィボルチャ(Gazeta Wyborcza)紙は、ドイツのブレーメン(Bremen)で生まれ、ドイツ代表としてライプチヒ(Leipzig)で行われる女子テニス国別対抗戦フェドカップ(Fed Cup 2016)のスイス戦を控えるケルバーに対し、国籍の変更を求める内容の記事を掲載した。

 同紙は、「メディアはアンゲリクがポーランドの血をひいたドイツ人と頻繁に報じるが、それは正しくない。彼女はポーランドのパスポートを持ち、ポーランドで納税しており、両親はポーランド人だ」と伝えている。

 2012年に祖父母の近くに住むためにポーランドに居を移したケルバーは、シュテルンTV(Stern TV)で繰り返し自分はドイツ人であると語っている。

「私が今ポーランドに住んでいて、その国にゆかりがあるのは事実です。両親はそこで暮らし、私もそこでトレーニンングをしています。でも私はドイツ人です。ドイツのためにプレーしています。私はドイツで育ったので、心にはドイツがあります」

 ケルバーの両親はドイツのキール(Kiel)で娘を育て、祖父母はポーランドのポズナニ(Poznan)近郊のプシュチコボ(Puszczykowo)という小さな町に住んでいるが、その祖父母はケルバーのキャリアに大きな影響を与えたとされている。

 ケルバーは、祖父がその町で所有しているテニスコートでトレーニングを積んでいる。

「祖父母からの私への影響は大きなものです。祖父がいなければ今の私はいないでしょう」

 全豪制覇後、メルボルン(Melbourne)から真っ先に祖父母の元に飛んで帰ったケルバーは、「プシュチコボは私の人生にとって重要な場所です。故郷にいるという気分です」と付け加えた。

 そのケルバーは、全豪の決勝で勝利を挙げたセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を世界ランク1位から引きずり下ろすことが目標だと明かしている。

 セレーナは通算で278週間ランキング首位に君臨しており、これをしのぐ記録を持つのは同377週のシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏と同322週のマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏のみとなっている。

 ケルバーはツアーで5700ポイントを獲得しているが、セレーナは9245ポイントとその差を大きく付けている。(c)AFP