【1月20日 AFP】イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は19日、米国の「策略」に対する警戒を呼び掛けた。

 イランをめぐっては、主要国との核合意に基づいて16日に制裁が解除されたばかりだが、米はその直後に、今度はミサイル関連の新たな制裁を発表。ハメネイ師の発言は、両国関係が引き続き緊迫していることを改めて浮き彫りにした。

 イランが核合意で規定された条件を満たしたと国際原子力機関(IAEA)が発表したことを受け、ハサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は18日、ハメネイ師に状況説明を行っていた。

 ハメネイ師はそれに返答する書簡の形で、核合意履行以降初めて自身の見解を表明。「他の当事者らがおのおのの約束を守るかどうか、注視していく必要がある」として、「傲慢な国々、特に米国の策略や違背に警戒する」よう促している。

 米国は1979年、イラン革命の数か月後に学生らが在イラン米大使館を襲撃して444日間に及ぶ人質事件に発展したことをきっかけに、イランとの国交を断絶した。

 ハメネイ師が米との関係改善を支持したことは一度もなく、かつて米国を「大悪魔」と呼んだイスラム革命の指導者、故ルホラ・ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師とほぼ同様の立場を貫いている。(c)AFP/Ali Noorani