【1月11日 AFP】11日にスイス・チューリヒ(Zurich)で授賞式が行われる2015年の世界最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」では、FCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)が前人未到の5度目の受賞を果たすことが確実視されている。

 メッシのほかには、前回受賞者のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)、そしてバルセロナのチームメートであるネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が最終候補に残っている。

 メッシとネイマール、そして見過ごされ最終候補に残らなかったルイス・スアレス(Luis Suarez)の3人は、バルセロナの最前線で強力な3トップを形成し、スペイン1部リーグ、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)、スペイン国王杯(Copa del Rey 2014-15)の3冠を含む5冠にチームを導いた。

 そのなかで、2009年から2012年にかけて世界最優秀選手4連覇を果たしているメッシは、昨年バルセロナで48ゴールを奪取。チームも12月に、15クラブW杯(2015 FIFA Club World Cup)決勝で南米王者リーベル・プレート(River Plate、アルゼンチン)に快勝し、クラブチーム世界一の称号を取り戻した。

 対照的に2008年、2013年、2014年の受賞者であるロナウドは、評価の難しいシーズンを過ごし、個人としては52試合に出場して54ゴールを挙げたものの、所属するレアル・マドリード(Real Madrid)は永遠のライバルであるバルセロナの後塵を拝し続けた。

 ネイマールは、今回の受賞は難しいとみられる。それでも、昨シーズンは並外れた才能を41ゴールという結果に結実させ、2008年以降バロンドールを独占し続けているメッシとロナウドの2強を本気で脅かす存在に成長しつつある。

 バルセロナを率いるルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は、メッシはバロンドール以外にも賞を手にしてチューリヒを後にすると断言している。

 メッシは、国王杯決勝のアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)戦で決めた個人技からの驚異的なゴールが最優秀ゴール賞「FIFAプスカシュ賞(FIFA's Ferenc Puskas Award)」の候補に入っている。

 そのほかにはASローマ(AS Roma)のアレッサンドロ・フロレンツィ(Alessandro Florenzi)が9月のバルセロナ戦で決めた超ロングシュートなどが候補に挙がっているが、エンリケ監督はメッシのゴールには高い付加価値があると考えている。

 指揮官は、「カップ戦の決勝で4人抜き、または5人抜きを決めるのは非常に難しい。ほかの候補はチャンピオンズリーグのグループリーグの試合で、明らかにメッシの方が有利だ。フロレンツィのゴールはたしかにスーパーゴールだったが、私としてはメッシのゴールの方が上だと思う」と話している。

 FIFA年間最優秀監督では、エンリケ監督、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)で指揮を執るジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督と並び、コパ・アメリカ(2015 Copa America)でチリを優勝に導いたホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督が最終候補に選出された。

 また、女子の年間最優秀選手部門では、W杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)を制した米国代表の主将カーリー・ロイド(Carli Lloyd)、日本代表の宮間あや(Aya Miyama)、そして現在は引退した元ドイツ代表のセリア・シャシッチ(Celia Sasic)氏がノミネートされている。

 女子年間最優秀監督の座は、米国代表のジル・エリス(Jill Ellis)監督、イングランド代表のマーク・サンプソン(Mark Sampson)監督、そして日本代表の佐々木則夫(Norio Sasaki)監督の3人によって争われる。(c)AFP