【1月6日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)の監督を解任されたラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)氏が5日、コメントを発表。レアルを指揮できたことは「光栄で特別だった」と述べ、後任のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)新監督にエールを送った。

 自身のウェブサイトにスペイン語と英語で声明を掲載したベニテス監督は、「クラブの理事、役員、スタッフ、そしてすべてのファンに知っていただきたい。このクラブを指揮できたことは光栄で特別なことだと思っている」とつづった。

 リーグ戦の順位が3位のまま、首位アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)との勝ち点差が4に開いた4日、レアルは監督交代を決断。ベニテス監督のサンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu stadium)での時間は、約半年で不幸な終わりを迎えた。

 レアルは今季、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)でグループリーグを突破し、決勝トーナメント1回戦でASローマ(AS Roma)と対戦することが決まっているが、スペイン国王杯(Copa del Rey 2015-16)では、4回戦のカディス(Cadiz CF)戦で出場資格のない選手を出場させ、失格処分を受けた。

 それでもベニテス監督は、「マドリード(Madrid)生まれのマドリディスタ(レアルファン)として、伝統と品位のあるこの組織の一員となり、そうしたクラブカラーのために働けて誇らしかった」としており、恨み言は決して漏らさなかった。

「すべてのクラブ関係者に格別の感謝を申し上げたい。このクラブに足を踏み入れたときから、みなさんは常に私を支え、仕事を助けてくれた。みなさんの後押しに感謝している」

「後任のジネディーヌ・ジダン氏、そして彼のスタッフの幸運をお祈りする。選手、コーチ、バルデベバス(Valdebebas、レアルの練習施設)とベルナベウで働くスタッフに対しても、今後の活躍を祈っている」

■信頼を得られず短期政権に終わったレアルでの日々

 ベニテス監督は、スター選手ぞろいのロッカールームをまとめきれず、特に前任のカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督の解任に不満を持つベテラン選手たちの信頼を得ることができなかった。

 シーズン序盤には、開幕から公式戦14試合負けなしの記録を残して信任を得たものの、昨年11月から12月にかけてはリーグ戦5試合で3敗の時期を経験。なかでもFCバルセロナ(FC Barcelona)に本拠地で0-4の惨敗を喫したことで、一気に評判を落としてしまった。

 スペイン国王杯(Copa del Rey 2015-16)での失態も重なり、選手との関係は一向に改善せず、カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)やハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)といった主力がベンチスタートに公然と不満を口にすることも珍しくなかった。

 そして2-2の引き分けに終わったバレンシア(Valencia CF)戦後、主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)が続投の不支持を示唆するような発言をすると、結局はこれがベニテス監督にとってレアルでの最後の試合となった。

 マドリード生まれのベニテス監督は、レアルの下部組織に当たるレアル・マドリード・カスティージャ(Real Madrid Castilla)などで選手時代を過ごし、同じカスティージャで1990年代に指導者としてのキャリアをスタートさせた。(c)AFP