【11月26日 AFP】ボクシングの世界ヘビー級タイトルに挑戦するタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が25日、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)との心理戦で、歌うというより芝居じみた手段を用いた。

 WBA・WBO・IBFスーパー王者のクリチコと挑戦者フューリーは、28日にドイツ・デュッセルドルフ(Dusseldorf)で相まみえる。

 27歳のフューリーは9月に行われた記者会見にバットマン(Batman)の格好で登場し、面と向かってクリチコを「ジョーカー(Joker)」と呼んでいたが、今回はマイクを手に持った。

 報道陣向けの公開練習をデュッセルドルフ空港(Dusseldorf Airport)で行った身長2メートル6センチのフューリーは、自身の歌唱能力を披露するチャンスをつかむと、ベット・ミドラー(Bette Midler)の「愛は翼に乗って(Wind Beneath My Wings)」の歌詞を変え、「ベルトを手にする」と歌った。

 クリチコは、「感心したね。歌う面ではお手上げだが、ボクシングとなればそういうわけにはいかない」とコメントしている。

 フューリーがそのボーカル力を見せつけたのは今回が初めてではなく、2012年に北アイルランド(Northern Ireland)のベルファスト(Belfast)でケビン・ジョンソン(Kevin Johnson、米国)に勝利した際にも同じ曲を歌った。

 また、2013年4月には米ニューヨーク(New York)でスティーブ・カニンガム(Steve Cunningham、米国)を下すと、リング上で違う歌を披露している。

 試合前には英ロック歌手のロッド・スチュワート(Rod Stewart)がパフォ-マンスを披露することになっているが、フューリーは独スポーツ通信社SIDに対し、「ファンを喜ばせたいね、ロッド・スチュワートとのデュエットもあるかもしれない」と語っている。(c)AFP