【11月15日 AFP】15日に決勝が行われる15F1第18戦ブラジルGP(Brazilian Grand Prix 2015)でドライバーたちは、予定されていた通りに交通事故の犠牲者に対する黙とうをささげるとともに、フランスのパリ(Paris)で13日夜に起きた連続襲撃事件の被害者へ哀悼の意を表して喪章を着用する。

 国際自動車連盟(FIA)は14日、ジャン・トッド(Jean Todt)会長がテロ事件に対する素っ気ない態度とみられるような常軌を逸したコメントを残したことを受け、今回の対応を発表した。

 トッド会長はカナル・プリュス(Canal Plus)に対し、「パリ(の襲撃事件)で亡くなった人数よりも、さらに多くの人が交通事故で亡くなっていることはご存じか」と語った。

 トッド会長はその後、FIAが今週ブラジルの首都ブラジリア(Brasilia)で行われる交通死亡事故に関する会議を前に、世界交通事故犠牲者追悼の日を祈念するための黙とうを行うと明かした。

「毎日路上で3500人が命を落としている。毎日、パリの襲撃事件の30倍の人々が亡くなっている。1分間の黙とうをささげることを決定していた。もちろん、パリでの出来事も無視はできない。ゆえに、パリで起きたことにも留意する」

 その発言から、トッド会長とFOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)会長は、パリの犠牲者への敬意を表すためにの最良の形は何かを長らく議論した。

 両者の話し合いの末、FIAは「パリで13日に起きた襲撃事件を受け、ブラジルGPで予定されていた交通事故被害者を追悼する行事について変更があります」と声明を出した。

 これによると、ドライバーズパレードでは選手たちがパリの被害者を追悼し、その家族や愛する人たちへの連帯を示すため、喪章をつけることになる。またその際には、黒いリボンがつけられたフランス国旗も登場することになる。

 これに加え交通事故で負傷したり、亡くなった人々への黙とうをささげることになるという。(c)AFP