【11月13日 AFP】ニュージーランド・ラグビー協会(NZRU)は13日、来年からチーム数が拡大する世界最高峰リーグのスーパーラグビー(Super Rugby)の準備にもすでに懸念が生じているとして、南半球4か国対抗戦のザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship)への日本代表の参戦について思案するのは時期尚早だとの見解を述べた。

 南アフリカ代表に34-32で勝利するなど、ブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)がラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で挙げた功績を受け、日本ではラグビー人気が高まっている。

 日本が次回のW杯(Rugby World Cup 2019)開催を控える中、統括団体のワールドラグビー(World Rugby)は、利益をもたらす可能性がある大規模な市場で、その人気を確固たるものにすることを目指している。

 今週来日したワールドラグビーのベルナール・ラパセ(Bernard Lapasset)会長は、現在ニュージーランド代表、オーストラリア代表、南アフリカ代表、アルゼンチン代表で構成されているザ・ラグビーチャンピオンシップに日本代表も加入すべきだと述べた。

 しかしNZRUのスティーブ・チュー(Steve Tew)CEOは、日本のラグビーにとって緊要の課題は、2016年のスーパーラグビーで争うことができるチームを送り込むことだと語った。

 チュー氏は記者団に対し、「それ(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)についてのベルナールの洞察に満ちた視点は理解した。われわれもラグビーW杯で日本が成し遂げたことに胸を高鳴らせた」とコメントした。

「しかし、彼らの次なるステップであるスーパーラグビーへの準備について、われわれは非常に憂慮している」

 スーパーラグビーは来季から日本、アルゼンチン、さらに新たに南アフリカから新チームを迎え入れ、全15チームから18チームに拡張される。東京を拠点とする日本チームの名称はサンウルブズ(Sunwolves)に決定しているが、チュー氏はその他の不可欠な詳細について最終決定がなされていないと指摘する。

「まだ指揮官の発表もないこと、これは疑いなく関心事だ。ロスター(メンバー)も完全に定まっていない」

「彼らには、スタートするために答えを出さなければならないことが2点ある」

 2012年からザ・ラグビーチャンピオンシップに加入したロス・プーマス(Los Pumas、アルゼンチン代表の愛称)は、トップクラスの対戦相手との試合を行い、今W杯で4強入りを果たすなど劇的に実力を上げた。

 チュー氏は、拡張は長期的な選択肢ではあるとしつつも、いつ、どの国が加入するかについて保証はないとしている。

「加入するのは日本かもしれないが、南米全体、アジア、米国の西海岸を長期的な展望でとらえている。短い期間で、ザ・ラグビーチャンピオンシップにどの国が加入するかを決めつけるのは時期尚早すぎる」

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