■シセも事件に関与か

 事件は6月、ヴァルブエナが警察に相談を持ちこんだことから始まった。――ヴァルブエナは知らない相手から電話を受け、具体的に金銭を強要されはしなかったものの、セックスを記録した映像を持っているので話し合おうと言われたとしている。

 これを受けて、警察は捜査を開始。ヴァルブエナのビジネスパートナーを装って恐喝グループに接触すると、グループからは来年6月にフランスで開催される欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の前に、映像をばらまくという脅しがあった。

 そして捜査が進むなかで、3人の人物が容疑者として浮上した。そのうちの1人はヴァルブエナに近しい人物で、ヴァルブエナの携帯電話に保存されていたセックスの映像を直接入手できる立場にあった。

 また容疑者のうち2人は、サッカー元フランス代表で、オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)時代にヴァルブエナと同僚だったこともあるジブリル・シセ(Djibril Cisse)とつながりがあり、2008年には、そのシセから同じくセックス映像を使って金をゆすりとっていたとされている。

 グループは、映像の確認をさせたシセを通じて、映像をばらまくとヴァルブエナを脅したという。シセは10月、事情聴取のために身柄を拘束されたが、犯罪の容疑はかかっておらず、すぐに解放された。

 グループはその後、話し合いを加速させるため、リヨン(Lyon)に住むベンゼマの兄弟の友人に連絡を取った。警察はすでに、その友人の身元を特定し、事件に関与した疑いで2日に身柄を拘束。4日には、リヨンで裁判官による聴取が予定されている。(c)AFP/Paul AUBRIAT/Juliette MONTESSE