【10月20日 AFP】オーストラリアのトニー・アボット(Tony Abbott)前首相が、先月14日に行われた与党・自由党の緊急党首選で敗北した後、議事堂内で開いた「どんちゃん騒ぎ」の際に壊れた大理石製のテーブルの弁償代を払うと述べている。

 マルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)新首相による「党内クーデター」で退陣に追い込まれたアボット氏は、党首選での敗北後、閣議室に同党関係者らを招き宴(うたげ)を開いた。このときにコーヒーテーブルが壊れたことが議会公聴会で明るみに出たことを受け、アボット氏は19日夜に声明を発表して事実を認めた。さらに弁償代の請求を自分に送るよう依頼済みだと付け加え「私のイベントだったのだから、私が責任をとる」と述べた。

 19日に上院公聴会で公開された議事堂職員の電子メールによると、「大理石製の小さなテーブルが…誰かがその上に乗ったか、上で踊ったせいで壊れたようだ」とする報告が複数あったという。また、「さらに言うと、火曜日(9月15日)の朝、テーブルの天板のかけらが床にあり、閣僚の執務室でもかけらを見かけたとの知らせを受けた」とも記されている。テーブルは1980年代に購入された際、590豪ドル(約5万円)したという。

 豪大衆紙ヘラルド・サン(Herald Sun)は後日の報道で、宴は早朝にまで及び、アボット氏がシャツを脱ぎ踊る場面もあったと伝えている。また、壊れたテーブルの大理石のかけらを記念に持ち帰ったスタッフもいたと報じている。

 オーストラリアの最近の歴代首相が退陣に追い込まれた際の「どんちゃん騒ぎ」は、これが初めてではない。10年に労働党の党内クーデターで、自らの内閣の副首相だったジュリア・ギラード(Julia Gillard)氏に敗れ、首相の座を追われたケビン・ラッド(Kevin Rudd)元首相は、服を全て着たままの状態で自身のスタッフたちによってプールに放り込まれたと伝えられている。(c)AFP