【10月20日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)で102人が死亡した連続自爆攻撃事件について、同国のアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は19日、自爆犯2人のうち1人の身元をDNA鑑定で特定したと発表した。

 検察当局によれば、身元が特定されたのはユヌス・エムレ・アラギョズ(Yunus Emre Alagoz)容疑者。イスラム武装勢力が拠点としている南東部アドゥヤマン(Adiyaman)県出身で、今年7月にシリア国境に近い南部の町スルチ(Suruc)で発生しクルド人や左派活動家ら34人が死亡した自爆攻撃の容疑者の兄弟とされる。

 トルコ当局はアンカラの事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の犯行の可能性が最も高いとの見解を示している。アラギョズ容疑者は、シリアでISと共に訓練を受けた経験があったとみられている。

 2人目の自爆犯の身元は公式には特定されていないが、トルコのメディアは、2度のシリア渡航歴があるオメル・デニズ・デュンダル(Omer Deniz Dundar)容疑者と報じている。

 アンカラでの事件ではこれまでに4人が逮捕され、爆破装置を製造した罪で訴追された。また検察当局は、事件に関与した疑いで他の9人に対する捜査を進めている。検察当局は19日、容疑者の自宅や車から自爆攻撃用のベスト11着や、カラシニコフ(Kalashnikov)銃6丁、手投げ弾22個、弾薬1683発と、爆発物数百キロを押収したと発表した。

 ダウトオール首相によると、トルコ政府は、アンカラとスルチで起きた爆発事件に加え、今年6月に南東部ディヤルバクル(Diyarbakir)で起き5人が死亡した爆発事件の3件が関連している可能性もあるとみて、調査を進めている。(c)AFP/Ella IDE