釜石で被災した豪代表ファーディー、人生を変えた体験を語る
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■事の重大さに気付かなかった
オーストラリアのマイケル・チェイカ(Michael Cheika)ヘッドコーチ(HC)には、目だつためにひげを伸ばしたのだとからかわれているファーディーだが、控え目な性格で、メディアの前で話すことも苦手だという。それでも、この日のインタビューでは当時の心境を詳細に語った。
最初は事の重大さに気付いていなかったというファーディーは、「自宅は山間部にあったので、体感したのは地震だけだった」とすると、「海沿いの工場から人がやってきて、津波が来ると知らされるまでは、まったく気がつかなかった」と振り返っている。
「まきを集めに行くふりをして、車で下り海側を見てみたら、車が道路を流れていて、町が火に覆われていた」
「何が起こっているのかは理解できたけど、電力供給も止まっていたから、全体像としてどれくらい深刻なものなのかは分からなかった」
「翌朝起きてみたら、軍用車両がノンストップで往来していて、最初に思ったよりも大変なことが起きているのだと気付いた」
世界最高峰のスーパーラグビー(Super Rugby)に参戦するチームでは常に23番目の存在だったことから、2009年、釜石シーウェイブスに加入したファーディーは、日本での経験を通して、人生に対する考え方が変わったと話している。